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センサー特集

この記事は、弊社で取り扱っている商品の中から、センサーについて紹介いたします。

 

 

第10回 測距センサ( 2026/3 公開 )

川原 最終回では、オムロンのマイクロ変位センサと3D ToF(Time of Flight)センサモジュールの二つの異なるタイプのセンサについてご紹介します。これらのセンサはどちらも距離を測定する点においては共通していますが、その原理と用途には違いがあります。

マイクロ変位センサ

マイクロ変位センサは「狭い範囲を、極めて高精度に測る」ことに特化したセンサです。 空間を広く見るのではなく、特定の一点をどこまで精密に捉えられるか――そこに真価があります。

出力はアナログ。
標準検出距離(動作領域)は6.5±1mmというごく近距離で、その分解能は±10µm。 6.5mm先の一点を、10µm単位で読み取るという世界です。 ミリではなく、マイクロメートルの精度。ここまでくると「距離測定」というより「微細な変化の検出」と言った方がしっくりくるかもしれません。

想定される用途の代表例は、紙幣や紙の厚み測定です。
わずかな厚みの違いを検知できるため、搬送装置における重送検知や紙詰まりの予防に役立ちます。ほんのわずかな浮きやズレを見逃さないことが、装置全体の安定稼働につながります。
さらに、この高精度性は振動計測にも応用できます。 モーターやローラーの微細な振動を捉えることで、異常の兆候を早期に把握することも可能です。目に見えないレベルの変動を数値として取り出せる点が、大きな強みです。

サイズは15 × 35.5 × 16 mmと非常にコンパクト。
限られたスペースにも組み込みやすく、装置の設計自由度を損ないません。 広い空間を面で捉える3D ToFセンサに対し、マイクロ変位センサは一点を極限まで深く見る存在。 同じ「距離」を扱うセンサでも、その役割は対照的です。
どこを、どの精度で、どの範囲まで見るのか ― その目的が、選定の分かれ道になります。

3D ToFセンサ

一方、3D ToFセンサは「広い範囲を一度に把握する」ことを得意とした距離センサです。屋内外を問わず、人や車両との距離を測る用途に適しており、空間そのものを“面”で捉えるイメージに近いと言えます。

測定距離は0.5m〜4m。
水平画角は87°以上(ざっくり90°)、垂直画角は67°以上(おおよそ60°)です。 では、実際どのくらいの範囲が見えるのでしょうか。

例えば2m先を見た場合、 横方向は約4m、縦方向は約2.3mをカバーします。つまり、2m先にある「4m × 2.3m」の空間を、320×240の平面分解能で取得できるということになります。 このスケール感は意外と実用的です。
高さ2mといえば、ちょうど人一人分。人の存在検知や位置把握、人数カウントなどを考えると、非常にバランスの良い仕様と言えます。

距離精度は数cmレベル。
「2m先の空間を数cm単位で把握できる」と聞くと、空間がかなり細かく分割されて見えていることが想像できるのではないでしょうか。 似た測定機器にステレオカメラがあります。両者の大きな違いは光源です。 ステレオカメラは主に太陽光などの自然光を利用しますが、ToFセンサは940nmのLEDを自ら照射し、その反射時間から距離を算出します。つまり、環境光に依存する方式か、能動的に光を出す方式か、という点が大きな分かれ目です。

もちろん、どちらが優れているという単純な話ではありません。
設置環境、外乱要因、求められる精度や応答性によって、最適な選択は変わります。実際の使用シーンを想定しながら比較検討することが重要です。
なお、本3D ToFセンサのサイズは103 × 64.3 × 43.1 mm。片手で容易に扱えるコンパクトさも、現場での評価や組み込みを考えると大きなメリットと言えるでしょう。 空間を“点”ではなく“面”で捉える。 それが3D ToFセンサの最大の魅力です。

以上、マイクロ変位センサと3D ToFセンサの主要な特徴と用途についてご説明しました。今回のコラムで、これらの技術がどのように異なるニーズに応えるかを理解していただければ幸いです。どちらの技術も、その精度と適用範囲の広さにおいて、多くの産業で重宝されること間違いなしです。

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